◆ Disk2 あさり・ストーリー ◆
トンコリについて
ゴトゴトゴト、、、電車に揺られ田舎道を眺めていた時
音楽を聴いていたら流れてきた美しい音。
水みたいな音で胸に響く響く、、
なんの楽器だろう?と、気になってすぐにネットで調べたら北海道のアイヌ民族古典楽器のトンコリという楽器だった。
アイヌについては、私は無知すぎるゆえ、安易に触れられないようなイメージがあったのだが、音楽となったら近づくのがとても早かった。
私はすぐに、民族楽器屋さんに足を運びトンコリについて話を聞いた。
タイミングよく、今あるよ。と見せて頂いたトンコリは、本当に美しくて涙が出た。
なぜだか、私の中ではやっと出会えた我が子のような感覚だったっけ。衝撃すぎる出会だった。
調べたり話を聞いていると、トンコリは女性の人の形をしているという。顔があり、耳があり、首があり、へそがあり、、体の中には球が入り、それは魂としてある。
そんな楽器、トンコリは、私の分身か、赤ちゃんか、とにかく身近に感じざるおえない存在であった。
いつかトンコリと子守唄が歌いたいなぁ。と、、
その数ヶ月後に、北海道へ行きご縁を頂いたアイヌ・アート・プロジェクトの結城幸司さんと、トンコリ制作者で奏者である福田昌二さんとお会いする。
私はまず気になっていた事、私自身アイヌについて無知ですが、そんな私でもトンコリを奏で唄うことは許されますか?と聞いた。
結城さんは、色々な方がいますが、是非たくさんうたってください。
と、言ってくれた。
それだけで何故か胸が熱く。優しい眼差しでアイヌの話と、力強い魂で語り部を聴かせていただいたりした。
昌司さんのトンコリ演奏も、ものすごく気持ちよかった。
出来上がったトンコリは、昌司さんのお人柄のようにとってもナチュラルで、そのままの姿をしていた。あぁぁぁ。。綺麗な子。。
抱き抱え、ギターとトンコリを背負い3人での北海道の旅は続いた。
トンコリは、本来静かな自然の中で自然の音と共に響いてゆく。小さな響きでも、水のように可愛くて綺麗な波紋が響き渡る。
素朴で、落ち着く、、
そんなトンコリの音は癒しそのもの。
このトンコリが連れていってくれる世界もまた面白く、出会ってくれてありがとう。って心から想うんだ。
イロロ
トンコリのチューニングから始まり、魂の球がコロコロと。ただただ自然に響く素朴でそのままの様子を収録。
トーキトランラン∞イケレソッテ
トンコリ奏者の昌司さんに教えて頂いたアイヌ伝統曲である2つの曲。
トーキトランランは、鶴の舞う歌。
イケレソッテは魔除けの歌。魔除けと言っても、出ていけ〜!と追い払うのではなく、ずーっとずーっとずーっと繰り返される歌に悪魔は飽きちゃって出ていくって話。なんだかチャーミングなお話。
サロルンカムイ
結城さんから教えて頂いたオリジナル曲。
遠くに行ってしまったあなたに鶴になって会いに行きたい。という、切なくて美しい歌。
結城さんの歌はとても力強く、胸が熱くなりました。
祀り
gumiさんのバーンスリーと奏でた楽曲。10拍子のラーガをモチーフに。
インド古典の要素もあり、トンコリにとってはありがたい経験のひとつ。なかなかないコラボだと想います。だけどとっても相性のよい2つの楽器。
茶の一服
池田望さん、とにかくギターが上手。どこにいても自然体なお人柄で、急なお願いを自然と受けてくれました。
この時も望さんは甘いおやつを持ってきてくれて、まぁまぁ休憩しながらやろうよ。と、安心の中にいる為、題名が茶の一服になりました。多彩な望さん、ありがとう!
結び
この曲はgumiさんの母、眞知子さんが作ったラーガに基づいて奏でています。
“チャンドラバルパ”
チャンドラは月
バルパは雪
と言う意味。
エピソードをちらり。
私の故郷新潟へgumiとgumi母の眞知子さんと行きました。その時に雪が積もり出した八海山を眺めにいきました。
天気やタイミングがよくて、ピンク色に染まる八海山を追いかけた。
山に登る月と月が照らす八海山をみて、眞知子さんはラーガを授かる。
gumiさんはすぐにバーンスリーでチャンドラバルパを奏で、とっても綺麗でした。
トンコリとバーンスリーはこのチャンドラバルパで九頭竜弁財天様へ音結びをさせて頂きました。